【報告】熊本へボランティアにいってきました

6月8日~10日まで、熊本にボランティアに行って来ました。
熊本は、浄土真宗の信仰が篤い土地柄で、東本願寺(大谷派)の末寺が約200ヵ寺、西本願寺(本願寺派)の末寺が約400ヵ寺ほどあります。そのお寺のほとんどが何らかの形で被災をし、本堂や庫裡、鐘楼堂、山門などが全半壊したお寺も数多く、地震の被害では東日本大震災より深刻です。

今回は、8日に真宗大谷派熊本教務所を訪問し、被災した本堂に参拝、被害状況を所員さんから説明をうけました。また、興蓮寺に門徒さんから寄せられた救援金もお渡ししてきました。ここの本堂は昭和初期に建てられた木造の本堂で、昨年御遠忌を機に基礎を補強していたので倒壊には至りませんでしたが、全体的に柱が歪みワイヤーで補正し応急処置をしてありました。

その後、熊本教区仏教青年会で炊き出し等をされている「チーム熊本」の内古閑さんと合流し、避難所での炊き出しや寺院の被災状況などをお聞きしました。炊き出しも、自治体によっては入りにくい箇所もあったり、数が足りずに悲しい思いをさせてしまった事などのつらい経験や、炊き出しがあることで避難所が明るくなったり、被災者のみなさんに喜ばれることが多いというお話を伺いました。また、あるお寺は、1回目の地震で本堂が痛み、本尊や仏具を移した直後に2度目の地震で本堂が倒壊してしまったという経験や、地域で東西本願寺の合同の勉強会がお寺同士の助け合いに非常に役立った等のお話をお聞きしました。

翌日、内古閑さんととも、益城町の専寿寺さんというお寺の本堂の解体作業のお手伝いに行きました。
最も被害が大きい地域の一つが益城町ですが、町中の建物が全半壊し、かろうじて立っている建物にも赤い「危険」の張り紙がしてありました。このお寺も本堂や庫裡、鐘楼堂などすべての伽藍が倒壊してしまいました。私たちは、倒れた本堂の部材を運びだしながら、細かな瓦礫になってしまった瓦と壁、釘、ガラスなどをそれぞれに分別をして土嚢袋に詰めるという作業を朝から日没まで行いました。
後々更地にした時に、重要になってくるとのことでしたが、いつ終わるともわからないほどの瓦礫の多さに被害の大きさをあらためて実感しました。
その後、市内へ戻る車中から益城町の避難所となっている体育館を外から拝見しましたが、いまだ1200人を超える方が避難をされ、車やテントでの避難生活を余儀なくされている方も大勢いらっしゃいました。

熊本市内の宿舎に戻り、夕食と反省会は22時頃になってしまい、岡崎教区から参加し一緒に行動していた仲間もさすがに疲れた表情でしたが、やはり一日二日ではなかなか力になれないので機会を作ってもう一度きたい、と言っておりました。東日本大震災も復興道半ばですが、熊本や九州の復興も先の長い道が予想されます、私たちも長く支援を続けたいと思います。また、東南海地震に備えなければならいな、とあらためて考えさせられました。


市内中心部の熊本教務所本堂も被災

危険、立ち入り禁止です。

許可を得て堂内を視察、壁が落ち下地が見える

マイヤーで柱の歪みを修正する応急処置

益城町、専寿寺様、写真左側に本堂があった

庫裡の一部を残しほぼ全ての伽藍が倒壊

本堂正面、本来ここに本堂があるはず

作業をする私、一日で日焼けがすごいです

木くず、瓦、壁、釘、ガラスなどに分別

庫裡も倒れてしまいました

熊本城

石垣が広範囲で崩落